たむきょーのフィンランド留学記🇫🇮(その後)

学生時代フィンランドへ留学していました。将来はフィンランドの大学院へ進学し、博士を取りたい。 フィンランド教育×教員の多忙問題×英語教育を記事にします。教員をしながらBetterEducation@群馬にてワークショップ活動を行っています。

教育をより良くするために日本がまず着手すべき問題

皆さんこんにちは。きょーすけです。今年は天気がカラッとしませんねぇ。ずっと曇りなのでジメジメしてるしなんだか気が滅入ってしまいます。ちなみにフィンランドは幸福度世界一でありながら、自殺率は世界23位と非常に高いです。フィンランド人曰く、冬の日照時間の短さが原因で気持ちを晴れやかにする効果のあるビタミンDが十分に接収できないのだとか。なので彼らはサプリメントからビタミンDを摂取していました。太陽って偉大ですね。

 

さて、本記事では日本の教育をより良くするためにまず必要なことについてきょーすけの視点からお話ししていこうと思います。

 

これは結論から言うと教員の労働環境の是正です。間違いないです。なぜ労働環境の是正が教育の質を高めることにつながるか、英語の授業を例にとって解説します。

 

英語教育は改革が求められており、今年度4月から施行されている小学校の英語教科化により、3、4年生で外国語活動、5、6年生で英語が教科化します。これは日本人の英語力が先進国の中で低い水準にあることから始まったものであります。ですがよく考えてみてください。小学校教員で英語の指導を行うことができる人がどれくらいいるでしょうか?彼らは英語を指導するために小学校を選んだわけではありません。ですが、小学校から「聞くこと」「話すこと」を中心に授業を行うことが求められています。

 

日本人の英語力を高めるために英語の授業の早期化を行う、という流れはいいでしょう。ただ問題はそれを実現するための環境の整備が必ずしも十分に行われていない点です。

学部時代、当時小学校英語早期化に携わっていた文科省の中心人物であった方が大学でこの改革に関して講義を行なってくださいました。

講義の最後の質疑応答にて私は

「現段階では小学校教員は英語指導法を学んでいない、また英語を指導できるのに最低限必要な英語力を備えていない方が大半です。こうした中で、英語教育早期化を実現するために現場の教員に必要なサポートや研修の機会を設けているのでしょうか?本当にこの早期化が

上手く回ると思っての決断でしょうか?」と質問させていただきました。すると

 

「いや、正直そこまでは考えられてなかったです。ですが、現場の先生方は非常に熱心で自ら学んでくださっている方が多いのです。」

 

これを聞いて「文科省としてそれは無責任ではないでしょうか?制度だけ変えてあとは教師個人に委ねるのはいかがなものでしょう?やりがい搾取もいいところです。」…と言いたい気持ちを抑え、代わりに礼を述べ席へ座りました。

 

英語教育以外に関しても、近年教育界には国からの様々な要請が降りてきます。その要請に応えるには、当然その準備が必要です。

英語教育早期化に関しては、まず現職小学校教師でも英語の授業が行うことができるような研修制度や教材の開発が必要不可欠です。

 

これを阻むのが日本の教員の多忙さです。

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TALIS 2018より

 

日本の教員は、総労働時間長いだけでなく、職能開発時間も参加国平均を下回っています。つまり、労働時間は長いけど、研修等に当てられる時間は少ないのです。

 

教育の潮流は激しいです。その時代によって必要な資質が変化するので学校は常に最先端であるべきであり、柔軟であるべきなのです。

そうした変化に対応すべく、現場の教員のゆとりを確保していくことが重要になってきます。

 

教師の労働環境を是正し(労働基準法に則っとればよい)ゆとりを確保することでさまざまな教育課題を解決することができると考えています。それは、以下のような好循環が生まれるからです。

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この好循環をいかに生み出すかが今の日本の教育界の課題でしょう。私が代表を務めていますBEtterEducation@群馬でも、教師労働は1つ大きなテーマとして扱っています。近々教師労働に関するワークショップを行いますのでぜひご参加していただければと思います。

それではまた!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました😊

またふらっと立ち寄っていただければ幸いです。