たむきょーのフィンランド留学記🇫🇮(その後)

学生時代フィンランドへ留学していました。将来はフィンランドの大学院へ進学し、博士を取りたい。 フィンランド教育×教員の多忙問題×英語教育を記事にします。教員をしながらBetterEducation@群馬にてワークショップ活動を行っています。

日本の教育って優れているの???

こんにちは。フィンランドはすっかり寒くなってきましたが(朝は3度とか)、フィンランド人曰く「こんなのよゆ〜❗️」って感じでまだ寒くないみたいです😅 フィンランド人恐るべし.............


さて、今回初めて投稿するわけですが、現在読んんでいる本からふと思ったことを題材に書いていこうと思います。

 

現在読んでいる本がPISA、TALISのデータからフィンランドの教育からなにを学べるのか、と言った内容なのですが、教育が成功している国が度々例として出てきます。例えばカナダ、エストニアスウェーデン、もちろんフィンランド

そして日本......え!?

皆さん、日本の学校教育についてどんな印象をお持ちですか?上手く行っている?失敗している?色々な意見があると思います。

 


私自身大学や外部のワークショップ等で日本の教育を議論することが多いですが、大抵は日本の教育の悪い点にフォーカスを置いてますよね。2020年の入試改革、詰め込み教育、戦後から変わっていない教室配置、高額な大学進学費、教員の過酷な労働環境、いじめ問題、部活問題等々。。。。。考えたていたらきりがありません。

 


私の経験と感覚値の話になってしまうのですが、こんなことばかり考え議論してきた私は、日本の教育は底質で世界の先進国から取り残されているもんだと思っていたのですが、データ上はそうではないことが多いみたいです。

 

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この図はPISAのスコアと家庭環境が学業達成度に与える影響相関関係を表したものです。上に行けば行くほどPISAで高得点で、右に行けば行くほど家庭環境が学業達成度に与える影響の少なさを表しています。

 


皆さん日本は見つかりましたか?なんと右上の郡に位置しています。つまりこの調査の上では、日本は家庭環境に関係なく生徒がいい学業成績を収めることができ、家庭における経済格差が個人の学業を左右しない教育的公平性が抜群で超優秀な国のです!

 


.......でも本当にそうなのでしょうか?本当に経済格差による影響はないのでしょうか?このデータが示すほど平等性が担保されている教育システムなのでしょうか?

 


少しじっくり考えてみましょう。

 


まずこのグラフ、「PISAが調査しているという」と、「学校での学業成積」がキーワードとなっています。おそらく対象は小学生か中学生でしょう。そして日本では学業成績の指標は定期テストが主です。

 


では大学進学といった点でどうでしょうか?経済格差による影響はないのでしょうか?この点に関しては確実に影響があるでしょう。

 


超優秀で、東大に行ける実力があるけど、経済的理由で地元の国公立しか選択肢がない。国公立卒では地元出身者も多く、めちゃ優秀な人材が公務員勤めなんてパターンも多いのではないのでしょうか。仮にこの人が東大に行っていたら公務員にはならずにイノベーションに携わるような企業に就職していたかもしれません。

 


就活でも差はでますよね。北関東から東京に就活に赴く場合はも経済的事情が反映されます。(バイトでいっぱい溜めとく学生もおいるのかな?)

 


なにが言いたいかというと、数値だけをみてその国の教育はどうだって決めつけるのは軽率だということです。対象は誰なのか?測定範囲は?こういったことは調べる必要はあるでしょう。

 


このデータから「日本の教育、公平性担保されているしすげーーー」なんて思うかもしれません。義務教育段階ではそうだと思います。ただ奨学金制度(もはやただのローンだけれども)も乏しい日本では大学進学後は経済格差がかなり進路や人生に影響してそうですね。

 


さあ、日本の教育は果たして良いモノなのだろうか????