たむきょーのフィンランド留学記🇫🇮(その後)

学生時代フィンランドへ留学していました。将来はフィンランドの大学院へ進学し、博士を取りたい。 フィンランド教育×教員の多忙問題×英語教育を記事にします。教員をしながらBetterEducation@群馬にてワークショップ活動を行っています。

フィンランドの教育の根底にある5つのアイディア‼️

秋に突入したことと思いますが皆さんいかがお過ごしでしょうか?フィンランドは一昨日辺りから気温がぐんと下がりめちゃくちゃ寒いです😓

一昨日は朝8時の気温が−1度で死ぬほど寒かったです。12月とか生きていけるのだろうか。。。。

 


さて、今回は『フィンランドの教育の根底にある5つのアイディア』についてお話していきます。日本との違いが大きく現れていて興味深い内容となっています。是非さ後まで読んでてください!

 


さて、皆さんフィンランドの教育に関してどんな印象をお持ちでしょうか?

世界一の教育先進国、というのはどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。

 


では、世界中から賞賛されるフィンランド教育はどのように作られていったのでしょうか?この質問に答える1つの視点として、今日は

 


フィンランドの教育の根底にある5つのアイディアについてお話ししていきたいと思います。

それでは参りましょう!

 

 

 

フィンランドの教育の根底にある5つのアイディア

 


①John Deweyの教育哲学

教採の勉強をしている方は馴染みのある名前だと思います。彼はアメリカの行動心理学者で、一方的な知識の享受は実際に学習者の学習経験にはならないと主張し、学校教育において他者との交流、実際に経験をすることの重要性を解きました。

フィンランドの大学に来て感じるのはグループでの課外活動がかなり多いということです。もちろん教授が喋り続ける講義形式もありますが、今の所かなり少ない印象です。そして学生もディスカッションに積極的に参加するし、クラス全体に向けて意見も恐れず言います。ここは日本人学生として見習う点です。この授業に対する姿勢は、大学入学前に学校教育を通し、Deweyの哲学がしっかり浸透していることの裏付けになっているでしょう。

 


②共同学習

僕が見学に行った学校ではクラスの規模は1クラス20人ほどでした。もっと少ない場合もあります。また、日本と違い、移民もいるのですが、インクルーシブ教育も盛んで、フィンランド人と外国人が同じ教室で学びます。そして、共同的に学びます。面白いですよね。1994年のカリキュラム改訂で導入されたアイディアなのですが、当時海外の研究者を招いてフィンランドの教員に共同学習を教えたそうです。

訪問先でまず驚いたのは、先生が5分ほど何かを説明した後、生徒が教室を出ていきました。彼らについていって見ると廊下の少し広いスペースで劇の台本を作っています。6人いて全員が意見を出し合っていたのが印象的でした。日本でのグループワークの経験上全員が意見を出し合うというのはどちらかというと少数派ですが、フィンランド人共同学習に慣れているようにも感じました。

 


③ 代替評価(Alternative classroom assessment)

フィンランドの1つ大きな特徴として、地域、学校、そして教員のカリキュラム編成における自由が高いということが挙げられます。どういうことかと言うと、フィンランドでは国の指導要領は存在しますが日本のようにそこまで細かく全てが指定されているわけではないのです。そのため、各学校で細かくカリキュラムを組む必要があり、日本のように全国一律、同じ内容を勉強するというわけではないそうです。もちろん検定制度もないので教員は生徒にあった教科書を自分たちで選びます。

例えば、日本でCLIL(使用言語を英語で、数学や体育を教える)を導入したいとします。ですが公立ではカリキュラムが国で決められているので不可能です。新しいシステムを導入するには私立を自分で建てるしかないでしょう。ところがフィンランドでは指導要領から逸脱しなければ学校ごとにカリキュラムを組めるので、新しいメソッドの導入も行いやすいです。

つまり、学校は地域の特色、生徒像に沿って、カリキュラムを編成します。つまり、日本のように偏差値を用いて、どの学校も同じ評価方を使用することができないのです。そのため、それぞれの教員が評価基準を作成し、評価方法も教員ごとに異なります。というのも、小学生は5年生になるまで成績を付けられることがないため、教員は評価基準を自分で作る必要があるのです。

 


④同僚間でのコーチン

これは教員に関しての考えになります。お互いにアドバイスを出し合ったり、振り返りをしたり、リサーチを行なったり(フィンランドでは教員になるには修士課程を終える必要があり、皆研究に長けています。)問題を協力して解決するといった事柄です。これは日本でも応用されているアイディアではないでしょうか。日本の教員間の授業視察の時間はOECD諸国の中でもかなり多いです。

 


⑤多重知能理論

少し書き疲れましたが、これが私が思うに一番重要な項目であるので頑張って書き進めます笑

多重知能理論はHaward Gardnerによって提唱された理論で、知能を8つのカテゴリーに分類しました。

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出典:www. nichinoken.co.jp

こう見て見るといかに私たちの、才能に対する価値観が狭いかがわかりますね。
ここからわかる彼の考えとしてはどんな子供でも何かしら才能があり、学校は一人一人の生徒がそれを見つけられるよう多重知能理論を知っておく必要がある、ということでしょう。フィンランドはこの考えを教育の根底においているため、音楽教育、芸術教育にも力を入れ、英語や数学といった主要教科のみでなく、どの教科も等しく重要だと考えています。

 


いかがでしたでしょうか?

この5つを見るだけでも日本とフィンランドの教育に対する考えの乖離が伺えますね。

 


ちなみに......実はフィンランド、こういった考えはほぼアメリカから輸入しています笑

フィンランドが生み出した独自の理論ではありません。

また、素晴らしい教育哲学、理論を生み出しているアメリカではPISAで結果があまりよろしくなく、アメリカ発の考えを輸入しいているフィンランドでは結果が出ているというのも皮肉なものですね。。。。。

 


以上、フィンランドの教育の根底にある5つのアイディアでした😊