たむきょーのフィンランド留学記🇫🇮(その後)

学生時代フィンランドへ留学していました。将来はフィンランドの大学院へ進学し、博士を取りたい。 フィンランド教育×教員の多忙問題×英語教育を記事にします。教員をしながらBetterEducation@群馬にてワークショップ活動を行っています。

変形労働時間制

12月。授業はほとんどなかったのでブログ書いたりなんやかんややりたかったのですが午前は9時あたりまで外が暗いのと寒いのとで家でゴロゴロする生活が続いてました。流石にあかん!と思い記事を書いています。

 

今回は

 

変形労働時間制

が学校現場に導入されるとのことでその批判をすべく記事を書きました。というのも残業時間を減らすことを目的にずっと議論されているにもかかわらず、あまりにもロジックが狂っているので。

基本的な仕組みについてはこちらからhttps://roudou-pro.com/columns/35/ 調べてください。

変形労働時間制(へんけいろうどうじかんせい)とは、労働時間を月単位・年単位で調整することで、繁忙期等により勤務時間が増加しても時間外労働としての取扱いを不要とする労働時間制度です。 ただし、変形労働時間制の場合でも法律で規定された労働時間を超えた分は残業代として支払わなければなりません。

例えば現在労働基準法では週40時間、1日8時間と労働時間が定められてますが、変形労働時間制の下では年間の労働時間平均値が週40時間ならオッケーですよということになります。なので例えば学期末の繁盛記は1日10時間、2時間増やした分は閑散期に1日6時間だけでいいですよ、が可能になります。

僕はこのシステムの導入はまったく意味ないと思ってますしドヤ顔で「これええアイデアやろ〜」ってされてるのも腹が立ちます。労働時間を減らすという目的と手段が一貫していないからです。

 

これが教員の労働時間を減らすというロジックのおかしなところ

1)そもそも常に残業状態

文科省による勤務実態調査によると中学校では1日あたりの勤務時間は11時間です。

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引用元:

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/09/__icsFiles/afieldfile/2018/09/27/1409224_003_3.pdf

しかも持ち帰りの仕事は含んでいません。トータルでは更に多くなるでしょう。

なので変形労働時間制が導入されると「11時間働いても残業じゃないで〜お前ら文句言うなよ〜」が通用してしまいます。残業が肯定されてしまいます。

 

2)有給いつとるの問題?

教員の仕事の性質上、有給が取れるのは長期休暇、特に夏休みになるでしょう。多くの教員がこの時期に有給を消化すると思います。

11時間毎日働いているとすると追加の労働時間が月で約3時間x 20日=60時間となります。年間だと更に増えます。となるとこれらの時間が夏休みに労働時間を減らす分にあてがわれるので、システムに正しく従うと教員は夏休み学校へ行かなくていい計算になります。となると有給はいつとるのんでしょうか?授業日は基本的には不可能ですし。。。。。しかも夏休みは研修など意外とやることが多いと聞きます。部活動も全く行わなくていい計算になりますが本当にそれでいいんですね?

 

3)そもそも時間の管理では多忙は解決しない

業務量が多すぎるのが多忙を招いている主な原因です。業務量がどんどん増えているのに時間の管理の仕方を変えただけでごまかそうとしているのが見え見えです。

 

業務量の縮小とシステムの効率化。この2点が鍵でしょう。フィンランドの例でいうとWilma program というものがあります。こちらはまたの機会に

 

なぜ僕が教員の労働環境に対して敏感かというと、私が自分のプライベート、家族、友人が人生において1番大切であると感じるからです。仕事に全てを費やすことを当たり前に用に強要する国の態度、労働環境に憤りを感じます(まあ僕のエゴですね)。僕の友人は将来優秀な教員になりそうな人が多いです。授業がうまい人もいれば、共感生が高く生徒のためになんでもしてしまうであろう人もいます。教師として優れた人格、技術を備えた彼らが最高のパフォーマンスを発揮できるよう外から手助けができたらな〜と思うばかりです。

 

そして何より教員の労働環境の改善は芋づる式に教育を取り巻く問題を解決しうると強く信じています。私自身そう思っているので誰かに変えてもらうのを待つのではなく、自分で動いていきたいです。

 

口だけじゃなくてしっかり勉強します😓