ICT使用における教育的意義は?
留学もいよいよ最後の急坂に差し掛かりました。一昨日までラップランドに旅行に行っていました。サンタ村で有名なあそこです。素敵なとこなのでフィンランドに来た際は是非!
さて日本では現在ICT機器の使用が次期指導要領の肝となっています。
•情報活用能力の向上
•主体的対話的深い学びのサポート
が文科省の示す主な目的です。
(引用:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/04/06/1403502_1.pdf, 2ページ)
わたしのホストファザーは小学校の副校長なのですが、ある日観察調査で彼の仕事を見ていた時、休み時間に来年度の予算をどう使うか考えていました。びっくりしました。彼はその予算で現在のICT設備を全てBluetoothにして、電子教科書を生徒に配布したいと言っていました。
ICT設備の充実度はフィンランドの小学校では重要度が高まっているようです。
これは教室にある先生方のデスクです。全てのホームルームにパソコン、ドキュメントカメラ、スクリーン、プロジェクターが配置されています。日本とは違いコアカリキュラムと財源の使い道が一致しているように思います。
何事も新しいことを導入する際考えなくてはいけないのはその「見込みの効果」です。
今回は学校観察を通して学んだICT活用の効果、利点について話していきたいと思います。
1. 楽しさのスパイス
この小学校では校長先生が開発した、読解力を鍛えるアプリを授業中に使うことを各先生方に奨励しているようです。指示文を読んで、それに従ってキャラクターを動かしゲームをクリアしていくというものです。狙いとしては単調になりがちな文章を読む活動を生徒が楽しくできるようにするというものです。
2. 情報検索力
今では携帯やタブレットで欲しい情報にピンポイントでアクセスできます。今や情報が身近にあって、正しい検索ワードを入れれば情報がゲットできる、ということを生徒が理解できるというのも大事です。
3. プロジェクト型活動との相性が抜群
ホストファザーはプロジェクト形式を授業に導入することが多いと言っていました。以前にも話したEurope projectはその例です。自身で調べた内容を無料でポスターにしたり、動画にしたりできます。ICTによってプレゼンのハードルがぐっと下がったように思います。
4.チームワーキングスキル
プロジェクト型が増えると当然グループワークも増えます。役割分担や、議論の進め方、チーム内での動き方などは社会に出た後重要なスキルです。
わたしの専門である英語教育に関してもICTは活かせる部分が多くあります。
1. ”Dragon Dictation”の音声認識機能を使った発音トレーニング
2. YouTube を用いて実際の英語話者の動画を見る
3. Online英会話で会話体験
などなど、メリットが多いです。
ただ、これだけ魅力的な機能やソフトがあると、それを使うこと自体が目的化してしまい、教育効果が薄くなってしまうことが懸念されます。鍛えたい力を念頭においてその目的に沿うようなソフトがあれば使う、というのが大事ではないでしょうか。