たむきょーのフィンランド留学記🇫🇮(その後)

学生時代フィンランドへ留学していました。将来はフィンランドの大学院へ進学し、博士を取りたい。 フィンランド教育×教員の多忙問題×英語教育を記事にします。教員をしながらBetterEducation@群馬にてワークショップ活動を行っています。

チームキムタツの英語教師塾に初参加

 

昨日キムタツこと木村達也先生が主催している英語教師塾に参加した。年に1度、全国津々浦々の現役教師たちが集まり、朝から夕方まで模擬授業を行うというストイックな会である。現役教師の授業を見る機会はそう多くはないので学生のReducatorにとって、大変貴重な場であった。

 

教師が模擬授業を披露するような勉強会やワークショップはこれまでたくさん参加してきましたが、この英語教師塾は他の勉強会とは密度の濃さが別格。というのもコンセプトは「普段学校で行っている授業の実践」であって、外向けのお披露目会ではないのだ。

Reducatorの教育実習中、担当教官による研究授業があったのだが、それはそれはひどかった。これといった足場掛けもなく、奇をてらった”アクティブラーニング”。授業の目的が管理職に表面的なアクティブさ、を見せることにすり替わってしまっていた。

このような校内での研究授業はこういった落とし穴があるが、英語教師塾ではあくまで普段の授業の実践であるので教師のリアルな授業が見られるという点で特別だ。

 

そして何よりキムタツのフィードバックが神ががっていた。

大学で学問として教育を学ぶとどうしても理論にフォーカスが生きがちである。「インプット仮説を加味してインプットはi+1のレベルがちょうどいい」、「ヴィゴツキーのZPDの理論によるとグループワークは効果的だ」、「言語特徴への気づきを促すのが大事だ」

これらはすべて重要で、英語教育者は学んでおかなければならないものだ。

ただ教師はあくまで現場で授業を行うので、目の前の生徒の実情を把握し彼らにベストな教育を施さなくてはならない。つまり経験知が必要なのだ。

 

英語教師塾に参加したことで彼の経験知の一部をのぞかせてもらい大いに参考になった。

 

そんなキムタツの授業の根幹にあるのはどうやら「会話」であるようだ。

長文解説といった解説一辺倒になりがちな内容でも彼は関西人のノリでテキストに突っ込みを入れたり、自身の経験を語ったりと、教材を媒介にして生徒と会話する。

 

「授業は生き物であり、機械的にレッスンプランを淡々と進めるものではない」というメッセージにもとれた。

 

来年度から教鞭をとることになったのでこの学びを忘れることなく生徒と向き合っていこうと思う。